異人たちとの夏(1988年 日本)ネタばれなし

 コロナ禍でお盆に帰省できない方にぜひ見て欲しい作品。全体を通してどこか懐かしく、私のようなおじさんには子どものころ実家で過ごしたお盆を思い出し。若い人たちには、おじいちゃん・おばあちゃんの家で過ごした夏休みを思い出させてくれるような映画。ノスタルジックで切ない、心あたたまる家族の物語。

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 監督は今は亡き大林宣彦さん。「転校生」「時をかける少女」等、数多くの名作を遺した日本を代表する映画監督。

 妻と別れ、仕事だけの孤独な毎日を送る中年の脚本家が、ふと立ち寄った生まれ育った街で、子どものころ事故で亡くなった両親そっくりな夫婦と出会うことから始まる不思議なひと夏の体験を描いたファンタジーあふれる作品。

 30年以上前、上京して間もない19歳の時に観た映画。後半、涙が止まらなくなってしまったことを覚えている。あれ以来観ていないが、お盆になると思いだす、記憶の中に輝き続けている作品。当時は自分も主役の風間杜夫と同じ立場で、子どもの目線で観ていたと思う。いま観たら親の立場として観てしまうのだろうか?違う感情、違う感想になるかもしれない。一度親元を離れて生活したことがある人なら共感してもらえる映画だと思う。ただし30年以上前の作品なので、最初は違和感があるかもしれませんが、10分我慢して観てもらえれば、次第に引き込まれていくはずです。
 観終わった後、ビールが飲みたくなり、すき焼きが食べたくなる。そして親や子どもに会いたくなる作品です。